スキンケア大辞典【看護師サポートナビ】

外用薬・軟膏の使い方

日常ケアの中で、皮膚外用薬やスキンケア用品は、
とてもかかわりの深いもののひとつです。

 

だからこそ、皮膚外用薬やスキンケア用品は、
使い方や塗布量に関しての正しい知識が求められます。

 

速く治癒へ導かれるように、症状が緩和できるように、
皮膚への負担とならないようになどを考えながら、
正しい知識を持ってケアにあたるようにしましょう。

外用療法と外用薬

外用療法とは

 

外用療法とは、皮膚に外用薬を塗ったり、貼付して行う治療のことで、
皮膚疾患治療の主となる治療法です。

 

外用薬とは

 

外用薬には、「軟膏」、「クリーム」、「ローション」などのタイプがあり、
皮膚病変や症状、部位、患者さんのライフスタイルや好みによって使い分けられます。

 

外用薬の効果をより高く導きだすため、
貼布法、重層貼布法、密封法(occlusuive dressing technique:ODT)など、
今までに、色々な外用方法が工夫されてきました。

 

しかし、最近はとても高い効果のある新規外用薬が開発され、
単純塗布でも十分な効果が得られるようになっています。

 

外用療法のメリット

 

外用療法には、以下のようなメリットがあります。

 

・全身的副作用を最小限に抑え、
薬剤を病変部位に到達させることができる。

 

・外界から隔離し、局所の安静(保護)を保つことができる。

 

・視覚的に効果が実感できる。

 

つまり、外用療法は、効果を得たい部位に、
直接効果を与えることができるということが、
最大のメリットであるといえるでしょう。

 

そして、究極のdrug delivery system(DDS)であるともいわれています。

 

外用薬には経口薬を外用化しているものも多いです。

 

経口薬による薬物療法では、
肝臓の代謝機能や腎臓の排泄機能に影響を与えてしまうことも少なくありませんが、
外用薬として用いれば、このような内臓に負担がかかることが少ないという点でも
メリットが高いといえます。

 

外用薬のほうが全身的副作用が少ないのは、
皮膚疾患に用いる外用薬として、
「皮膚で効果を発揮するように設計されている」ので、
安全性の高い薬剤となっているからです。

 

しかし、外用薬でも、全身的な副作用が全くないというわけではありません。

 

たとえば、ステロイド外用薬は、
ステロイド内服薬を使用するよりも、
外用として使用したほうが全身的副作用が少なくて済みます。

 

また、狭心症や喘息、がん性疼痛、禁煙補助などの治療に使われる薬でも、
全身作用を有する外用薬(貼付薬)がたくさん開発され、
実際に多く用いられています。

 

スキントラブルなどに用いる外用薬は、
トラブルが起きている部分に直接塗って効果を得ます。

 

このような外用療法の場合、その効果は見た目にも分かりやすいので、
症状が改善すると、患者さんのモチベーションにもつながります。

 

患者さんのモチベーションが高まれば、
治療意欲も沸くので、さらに良い結果につながることが多いのです。

 

外用療法のデメリット

 

外用療法には、以下のようなデメリットがあります。

 

・塗るのに時間と手間がかかる。

 

・衣服が汚れる。

 

・べたつく等の不快感がある。

 

・内服療法に比べ、コンブライアンスが低くなりやすい。

 

 

外用療法は、治療効果が見た目で判断できます。

 

そのため、患者さんも効果が実感しやすく治療へのモチベーションが高くなります。

 

しかし、なかなか効果が眼で見て実感できないと、
治療意欲が失われ、コンブライアンスの低下につながることもあります。

 

また、外用薬は塗るのに手間がかかったり、
衣服に薬剤が付くなどして、
患者さんにとって面倒と思えることが多いです。

 

このようなことが原因で、外用薬による治療が、
中断されることも少なくありません。

 

ですから、外用療法の継続を促すような指導や支援が必要です。

 

外用薬の成分

 

外用薬は、「基剤」、「主剤」、「添加剤」から組成されています。

 

・基剤

 

外用薬のベースとなるものが「基剤」です。

 

基剤には、ワセリンのように、
皮膚の保護を目的とし、単独で用いられるものもあります。

 

しかし、ほとんどの外用薬は、
さまざまな薬効を持つ薬剤を添加して用います。

 

病変部の性状や部位、主剤の性質などによって
基剤の選択を行います。

 

・主剤

 

主剤は、基剤に加えられる薬効成分です。

 

主剤としては、主なものに「副腎皮質ホルモン」、「抗ヒスタミン薬」、「抗生物質」、
「非ステロイド抗炎症薬」、「抗真菌薬」、「ビタミン類」、
「尿素」などがあります。

 

・添加剤

 

基剤の分離を防ぎ安定化させたり、
吸収を促進させる目的で加えられるものが「添加剤」です。

 

添加剤には、「界面活性剤(乳化剤)」、「安定剤」、
「防腐剤」、「吸収促進剤」などがあります。

 

外用薬の種類と使い方

外用薬には、「軟膏」、「ローション」、「泥膏」、「糊膏」、
「液剤」、「ゲル」、「テープ」、「スプレー」などのタイプがあります。

 

・軟膏

 

軟膏は最もポピュラーな型の外用薬です。

 

大きく分けると、「油脂性軟膏(疎水性軟膏)」、
「乳剤性軟膏(クリーム)」、「水溶性軟膏」に分けることができます。

 

油脂性軟膏は皮膚柔軟作用があり、
刺激性が少ないので、どのような皮膚の位状態にも適応できますが
べたつくという難点があります。

 

・クリーム

 

クリームは水に油と乳化剤を加えたものです。

 

水で洗い流すことができ、べたつきもなく塗りやすいという特徴があります。

 

浸透性も高いですが、浸潤面やびらん面には刺激が生じるという難点があります。

 

・ローション

 

ローションは使用感が良く、良く伸びるという特徴がある外用薬で、
顔面や頭髪部位に使われることが多いです。

 

ですが、溶媒にアルコールを使用しているので、
アルコール性の刺激性(しみる)を感じる場合があります。

 

・テープ

 

テープは、密封によって効果が増強する外用薬です。

 

しかし、感染症を起こすことがあるため注意が必要です。

軟膏の種類とその特徴

軟膏には、「疎水性/油脂性基剤」、「疎水性/乳剤性基剤」、
「親水性/水溶性基剤」のものがあります。

 

・疎水性/油脂性基剤の特徴

 

基剤成分: ワセリン、パラフィン、プラスチベース

 

浸透性: 非透過性

 

メリット: 疎水性/油脂性基剤は、皮膚保護作用、柔軟作用、痂皮軟化脱落作用等に優れています。
      また、皮膚刺激性が低いです。

 

デメリット: 主剤の経皮吸収性が劣ります。
       べたつきます。

 

・疎水性/乳剤性基剤の特徴

 

基剤成分: 水中油剤基(O/W)親水軟膏パニシングクリーム
      油中水型基剤(W/O)吸水軟膏コールドクリーム

 

浸透性: 透過性

 

メリット: 疎水性/乳剤性基剤は、主剤配合性がよく、経皮膚吸収性に優れます。
      べたつかず、水で洗い流すことができます。

 

デメリット: 滲出液を患部に再吸収させたり、皮膚刺激性があります。

 

・親水性/水溶性基剤の特徴

 

基剤成分: マクロゴール(PEG)など

 

浸透性: 非浸透性

 

メリット: 親水性/水溶性基剤は、水で洗い流すことができます。  
      主剤の溶解性が混合性に優れ、滲出液を吸着します。

 

デメリット: 親水性/水溶性基剤の主剤の経皮吸収性は低いです。

外用薬の使い分け

外用薬は、患者さんの症状や治癒過程、
塗布部位、年齢、既往歴、季節、
患者さんの好みなどに応じて選んで使います。

 

症状による外用薬の使い分け

 

油脂性軟膏であれば、
どのような状態の皮膚にも、安全に使うことができるので、
適用範囲は広くなります。

 

湿疹などの皮膚炎に対しては、
クリームを使用することが多いですが、
創のある部位やびらん、
ジュクジュクした湿潤性の症状が出ている部位には、
刺激症状が出るので、あまりおすすめできません。

 

治癒過程による使い分け

 

アトピー性皮膚炎の患者さんなど、
酷い症状が出ている場合は、軟膏を選ぶことが必要です。

 

ですが、その後、症状が落ち着いてきたら、
クリームに変更するなど、
治癒過程によって外用薬を使い分けていくことができます。

 

塗布部位による使い分け

 

外用薬は、塗布部位によって使い分けていくこともできます。

 

たとえば、頭髪にはローションを使用する、
顔に塗る場合は、べたつく軟膏を避けてクリームにするなどです。

 

ステロイド外用薬では、経皮吸収率の高い部位かどうかによっても
使い分けていくことが必要です。

 

年齢による使い分け

 

外用薬は、年齢によっても使い分けをすることがあります。

 

たとえば、ステロイド薬を使用する場合は、
乳幼児や高齢者は副作用が出やすいので、
薬効の弱いものを使用します。

 

また、尿素製剤はしみるので、
乳幼児への使用には、注意が必要です。

 

皮膚が薄く、ドライスキンになりがちな高齢者に使用する場合は、
保湿剤を併用して用いるなどの考慮をします。

 

気温や温度による使い分け

 

気温によっても、外用薬を使い分けすることがあります。

 

たとえば、夏場は汗をかくので、
軟膏のべたつく使用感を嫌がる患者さんが多いです。

 

そのまま無理に軟膏を処方しても、
積極的に軟膏を使用してもらうことができず、
治療がストップしてしまうこともあるため、
気温が高いときは、クリームやローションに変えるなどの工夫をします。

 

このように考慮することで、
外用療法を継続することができるようになります。

 

逆に冬場は、保湿効果の高い軟膏のほうが使いやすいという患者さんが多いです。

 

皮膚病変と剤型の選択方法

 

・紅斑

 

紅斑に対しては、油脂性軟膏、クリーム、テープを用います。

 

・丘疹

 

丘疹に対しては、油脂性軟膏、クリーム、テープを用います。

 

・漿液性丘疹

 

漿液性丘疹に対しては、油脂性軟膏、クリーム、水溶性軟膏を用います。

 

・水泡

 

水疱に対しては、油脂性軟膏、水溶性軟膏を用います。

 

・膿疱

 

膿疱に対しては、油脂性軟膏、水溶性軟膏を用います。

 

・びらん

 

びらんに対しては、油脂性軟膏、水溶性軟膏を用います。

 

・潰瘍

 

潰瘍に対しては、油脂性軟膏、水溶性軟膏を用います。

 

・亀裂

 

亀裂が起きている皮膚には、油脂性軟膏を用います。

 

 

このように、油脂性軟膏は、どのような状態の皮膚にも使うことができます。

 

基剤によって主剤の皮膚透過性に差がありますが、
一般的にクリームのほうが皮膚透過性が高いです。

 

外用薬は、患者さんの好みや年齢、季節などによって、
工夫して使いわけ、外用療養を続けられるようにしていくことが必要です。

適切な外用薬の塗り方

外用薬の適正量とは

 

外用薬の適正量は、
「1 finger-tip unit(ワンフィンガーティップユニット:FTU)」
というのが目安になっています。

 

「1 finger-tip unit(ワンフィンガーティップユニット:FTU)」とは、
人差し指の第一関節のところまで軟膏チューブから20〜30mm出していくと、
およそ0.5g弱の量になります。
この量が両手のひら全体(300cm2)に塗る量に相当するというものです。

 

ローション剤では、手のひらに「1円玉大」というのが適正量になります。

 

しかし、日本人の場合は、
実際にこの量で塗ってみるとべたべたした感じが残るという人が多いので、
この目安とされている量よりも、やや少なめでもよいといわれています。

 

もう少し分かりやすく言うと、
塗布部位にティッシュペーパーを付着させ、
落ちない程度が適正量ということになります。

 

塗布量はとても大切で、
量が少なければ薬剤の効力は発揮されません。

 

特にステロイド外用薬は、塗布量全体の約1〜2%と
わずかしか経皮吸収されないので、
きちんと適用量を使用しないと効果がありませし、
テープ剤でも約3%の吸収しかされません。

 

症状がなかなか改善されないと訴える患者さんに聞くと、
その多くは、塗っている量が少なめであることが多いようです。

 

外用薬、特に軟膏などべたつくものは、
どうしても「少なめ」に塗っているという傾向が強いので、
看護師がデモンストレーションをして、
適正量を指導することが必要です。

 

部位別の塗布量の目安

 

部位別の塗布量の目安をみていきましょう。

 

「1 finger-tip unit(ワンフィンガーティップユニット:FTU)」で計算すると、
全身の各部位への塗布量は、以下のようになります。

 

身体の小さい子どもへの塗布をする場合も、
表面積からおおよその見当をつけてみてください。

 

たとえば、顔と頸部に塗布する場合、
成人では2.5FTUですが、乳児には1FUTとなります。

 

・外用薬の塗布量の目安

 

顔面と頸部: 塗布量(FTU)2.5

 

片手両面: 塗布量(FTU)1

 

片足: 塗布量(FTU)2

 

上肢(手を除く): 塗布量(FTU)3

 

下肢(足を除く): 塗布量(FTU)6

 

胸と腹: 塗布量(FTU)7

 

背と尻: 塗布量(FTU)7

 

 

1FUT=0.5gで換算します。

 

日本人の場合はこれよりもやや少なめで良いといわれています。

 

しかし、日本製のチューブの場合は、
日本人の使用に合わせたチューブの規格となっていて、
海外のものよりもやや口径が小さくなるので、
このFUT換算でほぼ適正量になります。

 

 

2種類以上の薬剤を塗る順番

 

患者さんの皮膚の症状によっては、
一度の2種類以上の外用薬が処方されることがあり、
2種類以上の薬を同時期に塗る場合もいあります。

 

そのような時、どのような順番で塗ればよいのでしょうか?

 

2種類以上の外用薬が処方される場合には、
たとえばアトピー性皮膚炎でステロイド剤が処方される場合などがあります。

 

アトピー性皮膚炎でステロイド外用薬を処方する場合、
単独で使用すると皮膚が乾燥しやすくなってしまうため、
保湿剤が同時に処方されることが多いです。

 

その際、ステロイド外用薬と保湿剤は、
どちらを先に塗ったらよいのか?ということですが、
実は、医師によって意見が分かれています。

 

ただし、近年の論文では、
順番によってステロイドの吸収量に差はないという報告が出ているので、
どちらが先でも問題がないと考えます。

 

しかし、いくつかの条件下では、
考慮が必要な場合があるので、患者さんの症状を見ながら判断していくことが必要です。

 

・酷い湿疹ががある患者さんには、
後からステロイド外用薬を塗るとステロイドの吸収が低くなるため、
ステロイド外用薬を先に塗るほうが良い。

 

・ニキビの治療薬(ディフェリン)は、
かさつきやすい薬なので、
メーカーは保湿剤を先に塗ることを推奨している。

 

・免疫調整外用薬のプロトピックは、
分子サイズが大きく、経皮吸収されにくいため、
保湿剤を先に塗ると、薬剤効果が低くなると考えられているので、
プロトピックを先に塗るほうが良い。

皮膚科で用いられる代表的な薬剤の特徴と注意点

皮膚科で用いられている主な外用薬には、
いろいろなものがありますが、
多く使われているものは、以下のような外用薬です。

 

・ステロイド外用薬
・非ステロイド系抗炎症外用薬
・免疫調整外用薬
・保湿外用薬・角質溶解外用薬
・抗ヒスタミン外用薬
・抗生物質・抗菌外用薬
・抗真菌外用薬
・抗ウイルス外用薬
・皮膚潰瘍治療薬
・挫創治療薬
・ビタミン含有外用薬(ビタミンA、D3、E、レチノイド)
・抗腫瘍薬

 

 

ステロイド外用薬(副腎皮質ホルモン外用薬)

 

ステロイド外用薬は、とても優れた抗炎症作用があり、
皮膚科の臨床現場では、多くの患者さんに用いられています。

 

ステロイド外用薬は、日本では1953年から用いられるようになり、
それ以来、皮膚疾患の治療に欠かすことができない薬剤となっています。

 

現在、ステロイド外用薬のランクは、
薬効の強いものから順に、
「ストロンゲスト」、「ベリーストロング」、
「ストロング」、「マイルド」、「ウィーク」の
5段階に分けられています。

 

この5段階のうち、
効力の高いものほど副作用が強く出現します。

 

患者さんの中には、「ステロイドは、副作用が強いから使いたくない」
と考えている人も入るので、
薬剤の必要性について、きちんと説明し、
納得してもらうことが必要です。

 

長時間の使用が必要だと考えられる皮膚疾患に対しては、
疾患に合わせてコントロールできるように、
最低限のランクの外用薬から使い始めるようにしています。

 

ステロイド外用薬の使用上の注意

 

ステロイド外用薬は、強い作用があり、効果が期待できるものですが、
副作用の心配も頭に入れておく必要があります。

 

そして、ステロイド外用薬は、
皮膚からの吸収量が、年齢や病変の性状、部位などによって、
異なるため、それぞれの患者さんに応じて、
適切なランクで使用することが必要です。

 

・年齢に応じた使用法

 

子どもや高齢者に対してステロイド剤を使う場合は、
成人に比べて経皮吸収量が多くなります。

 

・病変に応じた使用法

 

たとえば、皮膚のバリア機能が著しく低下するびらんや湿潤性の病変の場合は、
経皮吸収量が多くなります。

 

また、皮膚が肥厚化した部位では、
経皮吸収量が少なくなります。

 

・部位に応じた使用法

 

部位に応じた吸収率は、前腕の内側を基準として考えます。

 

前腕の内側に対し、顔面や頸部、陰嚢では吸収率が高くなり、
角層の厚い手のひらや足底は吸収率が低くなります。

 

つまり、顔面などでは副作用が出やすくなるので、
強いステロイド外用薬を長期間使用するのは危険と考えます。

 

しかし、手のひらや足底は、吸収率が低いため、
疾患によっては強い薬を使うことが少なくありません。

 

 

ステロイド外用薬の部位別経皮吸収率の違い

 

・前腕屈側(内側)を1.0とした場合の吸収度の目安

 

前額: 6.0
頭皮: 3.5
頬部: 13.0
手のひら: 0.83
腋窩: 3.6
前腕屈側: 1.0
前腕伸側: 1.1
背部: 1.7
陰嚢: 42.0
足関節: 0.42
足底: 0.14

 

免疫調整外用薬とは

 

免疫調整外用薬とは、ステロイド外用薬や非ステロイド系消炎外用薬と
全く作用機序が異なる新しいタイプの外用薬です。

 

免疫調整外用薬は、「免疫抑制作外用薬」と同じ意味ですが、
「免疫抑制」というと、かなり強い薬というイメージを与えてしまうこともあるので、
「免疫調整外用薬」と呼ぶことが多くなっています。

 

アトピー性皮膚炎の治療薬として
ステロイド薬とは作用機序の異なる
タクロリムス軟膏(プロトピック)を用いることがあります。

 

タクロリムス軟膏(プロトピック)の有効成分は、
免疫抑制薬のタクロリムスで、
臓器移植後の拒絶反応予防薬として用いられてきたものです。

 

臓器移植後に用いられる薬ということからも分かるように、
この薬剤は、とても強力な免疫抑制作用があります。

 

近年、アトピー性皮膚炎用の外用薬として新たに開発され、
成人用の0.1%軟膏、0.03%の小児用(2歳〜15歳)が発売され、
大きな効果が期待されているのですが、
副作用についても十分に検討することが必要です。

 

 

免疫調整外用薬の副作用

 

免疫調整外用薬には、ステロイドホルモン作用に特徴的な
毛細血管拡張や皮膚萎縮などの副作用はありません。

 

このような性質があるため、
免疫調整外用薬は、特に顔や首の病変に有効的であるといわれています。

 

しかし、刺激感(ほてり、疼痛、掻痒感)などの副作用が
一過性に生じることがあります。

 

皮膚炎の症状が強いと、刺激感も出やすいので、
症状が強いときはステロイド外用薬を短期間使用し、
その後、タクロリムス軟膏に切り替えて用いるという方法がとられます。

 

 

免疫調整外用薬の使用上の注意点

 

ステロイドに代わる新しい免疫調整外用薬は、
ステロイド剤を長期に渡って使うことができないような部位にも使うことができ、
アトピー治療では、良い効果を期待することができます。

 

しかし、適切に用いる事がとても重要です。

 

免疫調整外用薬は、その効力としてはステロイド外用薬のストロングに相当します。

 

よって、2歳未満の乳幼児には使用することができませし、
2週間使用しても効果が出ない場合は、使用を中止しなければなりません。

 

免疫調整外用薬の使用量は、
成人では1回あたり5gまでで、
1日1回〜2回塗布となっています。

 

そして、免疫調整外用薬を使用した場合は、
塗布部位に、日焼けランプや紫外線ランプがあたらないようにすること、
また、強い日光に長時間当たらないようにすることも必要です。

 

 

薬剤の配合と混合のメリットとデメリット

 

皮膚疾患の患者さんには、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)と
抗生物質(抗菌薬)の配合剤が用いられることが多いです。

 

湿潤性の湿疹病変に対して、
副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)と抗生物質(抗菌薬)の配合剤を、
感染予防などを目的として使用しますが、
バリア機能が低下している部位に使用してしまうと、
抗菌薬によるかぶれが起きることがあります。

 

また、抗菌作用が十分に発揮できず、
薬が効かない耐性菌が出現しやすいというデメリットもあります。

 

皮膚科の治療では、このような配合剤が使われていることが多く、
皮膚科医の80%が、混合を行っています。

 

混合にすると、複数の外用薬を重ね塗りする手間が省けますし、
患者さんのコンプライアンスが向上したり、
再燃を防ぐことができるというメリットがあります。

 

しかし、希釈による薬効の問題や、細菌汚染の問題など、
デメリットについても周知する必要があります。

 

 


ホーム RSS購読 サイトマップ