スキンケア大辞典【看護師サポートナビ】

スキンケア用品の使い方

皮膚洗浄剤

皮膚疾患のある患者さんや、
ドライスキンの人の皮膚を洗うときには、
以下のような点に注意することが必要です。

 

・皮膚のpHに近い弱酸性のものを使うこと

 

・セラミドの溶出による乾燥や洗浄剤の残留・浸透による
痒みや炎症に注意すること

 

・洗浄するときには、皮膚に余分な圧や摩擦をかけないように、
強くこすらず、泡で洗う感覚で優しく洗うこと

 

 

●皮膚洗浄剤の役割と特徴

 

皮膚洗浄剤は、皮膚表面の汚れを落とす機能があります。

 

皮膚表面の汚れとは、余分な皮脂や汗、古くなった角質など
体内に由来する内因性の汚れ(生理的代謝産物)もありますし、
ほこりや化学物質、微生物、化粧品など
外部から付着する外因性の汚れ(外的刺激)もあります。

 

このような汚れの中には、
水ですすいだだけでは落ちにくいものがあります。

 

そのような時、皮膚洗浄剤を使って、
皮膚を清潔に保つことができるようにすることが必要です。

 

皮膚洗浄剤は、皮膚を清潔に保つために必要不可欠なものでもありますが、
使い方を間違えてしまうと、皮膚の機能に悪い影響を与えてしまい、
肌トラブルを招いてしまうことがあります。

 

 

●皮膚洗浄剤製品の選び方

 

皮膚の洗浄剤は、主成分となる界面活性剤の種類によって分けられます。

 

そして、その成分から「アルカリ性」と「弱酸性」に分けます。

 

ほとんどの皮膚洗浄剤は、pH10前後のアルカリ性です。

 

このアルカリ性洗剤は、洗浄力は強いのですが、
使用後に皮膚表面pHが、0.6〜0.8上昇するといわれます。

 

健康な皮膚であれば、このような強い刺激の洗浄剤でも、
毎日使用することに大きな問題はありません。

 

ですが、洗浄後、保湿をしたほうがベストであるといえるでしょう。

 

ベビー石鹸は、肌に優しいというイメージがあります。

 

ですが、赤ちゃんは、もともと汗をかきやすく、皮脂も多いです。

 

そのような赤ちゃんの皮膚にあった洗剤ですから、
ベビー石鹸は、pH10.1〜10.6と強アルカリ性で、
とても刺激の強い洗浄剤なのです。

 

皮膚のpHに近く、皮膚への刺激が弱いのは、
弱酸性の洗浄剤です。

 

弱酸性の洗浄剤は、抗原となる添加物が少なく、
脱脂力もコントロールしやすくなっています。

 

しかし、アルカリ性の洗浄剤よりも弱酸性の洗浄剤は
洗浄力が低くなります。

 

健康な肌であれば、保湿をしながらアルカリ性の洗剤を使っていくのもよいですが、
肌トラブルが心配なときや、ドライスキンになっているようなときは、
汚れの程度に応じて、アルカリ性の洗剤と弱酸性の洗剤を使い分けていくようにすると
肌への負担が少なくてすみます。

 

たとえば、腋窩や陰部などは、弱アルカリ性になっていて、
細菌が繁殖しやすい部位です。
ですから、アルカリ性洗浄剤で汚れを落とした上で、
しっかり保湿し、保護するようにします。

 

また、皮膚洗浄剤には、いろいろな効果のある成分が配合されたものがあります。

 

患者さんの皮膚の状態に応じて選んで使うようにしましょう。

 

さまざまな効果のある成分が配合された皮膚洗浄剤の中があります。

 

●保湿機能を持つ皮膚洗浄剤

 

保湿機能を持った皮膚洗浄剤は、
洗浄剤にセラミドが配合されていて、
皮膚のバリア機能の中心であるセラミドの溶出を抑制するものです。

 

保湿機能を持った皮膚洗浄剤は、
洗浄による乾燥を防ぎ、保湿力を高めてくれるので、
高齢者やドライスキンの人に使うことができ、
頻回な洗浄が必要な場合にも適しています。

 

●撥水維持効果のある洗浄剤

 

撥水維持効果のある洗浄剤は、刺激物との接触を避けることができます。

 

ですから、失禁などのある患者さんや高齢者に使うと、
化学的刺激のを避けることができるのでおススメです。

 

●界面活性剤があらかじめ乳化してある洗浄剤

 

海面活性剤があらかじめ乳化してある洗浄剤は、
泡立てる必要がありません。

 

洗浄剤をスプレーしてすすぐか、
拭き取るだけで汚れを落とすことができます。

 

頻回な下痢のある患者さんなどで、
なるべく機械的摩擦を避けて洗浄したいときに用いるとよいでしょう。

 

●天然オイルが配合されている皮膚洗浄剤

 

天然オイルが配合されている皮膚洗浄剤もあります。

 

オイルで汚れを浮かび上がらせ、軽く拭き取るだけで
洗浄できるというものです。

 

保湿効果も期待できるので、著しいドライスキンの洗浄には効果的です。

 

 

 

このように、洗浄剤にはいろいろなものがあります。
色々な皮膚洗浄の選択にあたっては、
各種皮膚洗浄の特徴を理解した上で、
患者さんの皮膚の状態に合ったものを選んで使って行く事が大切です。

 

●洗浄剤の種類とpH

 

・固形洗浄剤

 

化粧石鹸(ホワイト、植物物語、LUXなど): pH9.3〜10

 

薬用石鹸(ミューズ、牛乳石鹸など): pH9.8〜10.5

 

ベビー石鹸(ビジョンベビー、牛乳ベビーなど): pH10.1〜10.6

 

弱酸性石鹸(ミノンなど): 弱酸性

 

・クリーム状洗浄剤

 

(ボンズ、シーズなど): pH9.3〜10.7

 

(ボイレなど): 弱酸性

 

・ローション洗浄剤

 

(植物物語、LUXなど): pH9.4〜10.2

 

(ビオレU、ソフティ洗浄剤、キュレルなど): 弱酸性

 

・液状洗浄剤

 

(シャワーソープなど): pH10.1

 

(ミノン全身シャンプーなど): 弱酸性

 

・泡状

 

(ベーテル洗浄剤など): 弱酸性

皮膚洗浄剤を使うときの注意点

皮膚洗浄剤は、そのまま皮膚につけてしまうと、
とても刺激が強いです。

 

ですから、必ずよく泡立ててから使うようにします。

 

皮膚洗浄剤に含まれている界面活性剤には、
ひとつの分子の中に油と結合しやすい親油(疎水)部分と、
水と結合しやすい親水部分があります。

 

皮膚洗浄剤をよく泡立てることによって
疎水部分と親水部分が、
それぞれ同一方向に向けて結合した
「ミセル」という状態に形成されます。

 

このミセルが汚れを包み込んで、
皮膚から汚れを落とします。

 

このような皮膚洗浄剤のメカニズムにより、
肌をゴシゴシこすらなくても汚れが落ちるのです。

 

皮膚洗浄剤を使うときは、柔らかい素材のタオルやガーゼ、
スポンジ等に洗浄剤を適量とって、
よく泡立てましょう。

 

ナイロン製のものよりも、綿のもののほうがおススメです。

 

よく泡立てたら、その泡を手にとって皮膚に乗せ、
手で軽く伸ばすようにして洗います。

 

タオルでゴシゴシこするのではなく、
泡をなでるようにして汚れを取ります。

 

そして、皮膚洗浄剤が残らないように、
しっかりすすぐようにしてください。


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