スキンケア大辞典【看護師サポートナビ】

皮膚保湿剤と皮膚保護剤

皮膚保湿剤と皮膚保護剤

皮膚保湿剤や皮膚保護剤は、
皮膚の乾燥やバリア機能の低下を防止する目的で用いられます。

 

そして、皮膚保湿剤や皮膚保護剤は、
その主な成分によって作用効果や、使用感などが異なります。

 

患者さんの皮膚の状態や使用用途などにより、
適切に使い分けをしていくことが必要です。

 

 

皮膚保湿剤や皮膚保護剤の役割

 

私たちの皮膚の水分は、皮脂膜や角質細胞間脂質、
天然保湿因子によってコントロールされていますが、
何らかの要因によって、このコントロールのバランスが崩れ、
どれかが不足すると皮膚は乾燥してしまいます。

 

体内の水分が、体外へ蒸散するのを防ぐ機能のある皮脂膜が失われると、
体内の水分が漏出してしまいます。
すると、皮膚が乾燥傾向になり、
皮膚のバリア機能も低下してしまいます。

 

このように肌が乾燥してしまうのを防ぐために効果的なのが、
皮膚保湿剤や皮膚保護剤です。

 

皮膚保湿剤や皮膚保護剤は、
主となっている成分により、
大きく分けると3つのタイプに分けられます。

 

(1) 天然の保湿因子(尿素)配合タイプ。

 

(2) ワセリンやスクワラン、グリセリンなどの油性成分で
   皮膚の表皮に油膜を作り、水分の蒸発を防ぐタイプ。

 

(3) ヘパリン類似物質やヒアルロン酸など
   水分と結合して保湿するタイプ。

 

 

皮膚保湿剤や皮膚保護剤の選び方

 

皮膚保湿剤や皮膚保護剤を選ぶ時には、
まず、何を目的に用いるのかについて考えます。

 

高齢者の肌や、ドライスキンのケアを目的とするのであれば、
保湿が大切ですから、セラミドや保湿因子が配合されている
皮膚保湿剤や皮膚保護剤を選ぶことが必要です。

 

体内の水分蒸散を防いだり、
外部からの刺激の侵入を防ぐことを目的とするのであれば、
ワセリンが基剤となっているものを選びましょう。

 

オムツの装着や、カテーテル留置、気管切開、
瘻孔などがある皮膚に対して用いるのであれば、
撥水製の高い皮膚保湿剤や皮膚保護剤を使うと、
皮膚が浸潤環境下で侵軟することを予防することができます。

 

このような皮膚保湿剤や皮膚保護剤は、
ドラッグストアなどで購入することができる保険適応外のものと、
医師による処方で保険適用のものがあります。

 

患者さんの様子を見ながら、医師と相談し、
最も適切なものを使用するようにしましょう。

 

保湿剤の分類

 

・保湿剤(humectant)

 

皮膚に水分を与え、乾燥を防止する目的で用いる
吸収性の高い水溶性の物質です。

 

グリセリンに代表される多価アルコールが最も多く用いられます。

 

セラミドは脂質ですが、科学的に合成されたセラミド機能成分の
保湿剤としての有効性が報告されています。

 

・柔軟剤(emolient)

 

皮膚の表面に残存し、油性感や保湿間、柔軟感を
付与する目的で用いられます。

 

高級アルコールやエステルが一般的です。

 

製剤にとってとても重要な使用感を発現するために、
欠かすことができない成分です。

 

・閉塞剤(occlusive)

 

皮膚から水分が蒸散するのを抑制するために使用され、
油性成分が一般的です。

 

最も一般的な物はワセリンで、
高い効果が得られます。

 

一部のセラミドがバリア機能に重要な役割を担うことが知られています。

 

バリア機能を補完するセラミド機能成分の報告もされています。

 

・特殊剤(special)

 

保湿剤や柔軟剤、閉塞剤以外の
皮膚の保湿能やバリア機能向上のために用いられます。

 

ビタミン類や皮膚のセラミド産生を促進するものがあります。

 

 

皮膚保湿剤や皮膚保護剤の使い方

 

保湿剤は、洗浄や入浴などの後、
速やかに水分を拭き取って、適量を塗るようにします。

 

クリームタイプの保湿剤であれば、
塗り終わった後に、皮膚に触れてもべとつかない程度、
ローションタイプの保湿剤であれば、
皮膚の表面に残らない程度が適量です。

 

撥水性のクリームの場合は、
クリームが取れてしまったら重ねて塗るようにします。

 

保湿剤の主成分と作用

 

セラミド: 角質層柔軟化作用、水分保持作用、
     バリア機能改善作用に優れる角質細胞間脂質で、やや高額です。

 

尿素: 角質層柔軟化作用、水分保持作用に優れますが、
   バリア機能改善作用には劣ります。
    保湿効果が高くべとつきは少ないですが、
   刺激性があります。

 

ヘパリン類似物質: 水分保持作用にすぐれ、保湿効果が高いです。
          べとつきは少ないですが、臭いがあります。

 

ワセリン: 角質層柔軟化作用に優れます。
      刺激性が少なく安価で扱いやすいですが、
     エモリエント効果によって塗布部分に熱がこもりやすくなります。

 

ビタミンE: 水分保持作用に優れます。
       皮膚の保湿能や、バリア機能向上に用います。


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